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教えてほしい遺品整理

ファストフード店には使い捨て食器がつきものだ。
いくら環境を考えた再生紙の食器といえども、使い捨てであることに変わりはない。京都市が事業系ごみを調査したところ、ファストフード店の出すごみは、重さではレストランや飲食店と大差はないけれど、容積にしたらずいぶん多かったというカップや皿である。
ハンバーガーなどは分刻みで品質管理し、廃棄串は4%以下だと店は言うのだが、鮮度の落ちたものはどんどんごみに出している。ファストフード店というより「ファストごみ店」と呼ぶほうが正しい。
ファストフード店が一日に出すごみは、従業員ひとりあたりでみた3.1sも、事業所面積一uあたりでみても、あらゆる事業所のうちでナンバーワンだ。時間効率ならぬ「ごみ発生効串」が高いのも、ファストフード店の特徴だといえよう。
次にコンビニのごみを調べよう。やはり京都市(コンビニ約400店舗)の調査によれば、一店舗あたりのごみ発生量は日に平均36.2sだという。
30〜40%は生ごみで、その多くがロス落とし(弁当やお惣菜の売れ残り。棚から下ろして処分する分)だった。
弁当やサンドイッチなどは賞味期限が一日でも、商品を回転(1日3回)させる都合上、棚に15時間ほど並べたあと捨てるからロス落としが生じる。全製造量の25〜40%がロス落としに消え、Lでは一店舗一日あたり8.3sにもなるという。
コンビニ企業一社は一年間にご飯を3500トンも捨てるらしい。これは5万人が食べる量である。
食品ごみから見えてくること家庭の台所ごみや、ファストフード店、コンビニなどが出す食品ごみの量と食料統計が浮き彫りにした飽食の実態を思うにつけ、日本国民の生活スタイルはこのままでいいのかと心配になってしまう。戦後すぐの日本は、栄養失調で死者が出るほどの食糧難を経験した。

昭和20年には国民ひとり一日の食料供給はわずか1400キロカロリーだった。それが戦後数十年、とにかく「豊かな食料を」という欲望はとどまるところを知らず、飽食を経てついには食料をそのまま捨てる「放食」にまで至ったのは、あまりにも節度がなさすぎるといえよう。
いま全世界では8億人ほどが栄養不良に苦しみ、アフリカなどの紛争地域ではたくさんの餓死者も出ている。そんななか、食料を35%以上も余し、台所ごみの40%近くを「食べ残し」が占めるという日本の生活スタイルは、どうみても考え直す必要がある。
日本生活協同組合連合会の調査によると、一世帯の食品ストック総数は400〜700点にものぼり、その3分の1が冷蔵庫の中だという。お手軽志向の家庭ほど冷蔵庫内の食品数が多く。
1300点前後の食品を入れている家もある。賞味期限が切れた食品は、もちろんパックされたまま次々と捨てている。
ところで国民は、日ごろ自分たちの食べ残しがどれほどあると意識しているのだろうか?農水省がおよそ1000人の主婦にアンケートしたところ、70%以上が「多くても2割くらいまで」と答えた。ほとんど食べ残さないと答えた主婦も20%を超す。
だが現実には、調理くずも加えたら、台所ごみの3割以上は食べ残しだ。こうした「意識と現実のずれ」も、飽食時代の断面かもしれない。
さて、食べ残し(残飯)は全国でどれくらい出るのか。一般廃棄物の排出量(年5000万トン)と京都市の調査データから、年にほぼ710万トンと推定できる。
かたや、食料供給量(農水省のデータ)と食品摂取量(厚生省のデータ)の差をもとに計算した値は約720万トンだから、推定値はそれにかなり近い。つまり全国では一年間にだいたい700万トンの残飯が出ている。
この数字は、カロリーベースでみた食糧供給の過剰分ともよく符合している。アメリカの農務省は1997年、食料ロス統計をもとに、「全米で供給されている可食食料の27%にあたる約4360万トンが小売・外食・家庭で捨てられている」と発表した。

この数字を見ても、右で算出した日本の残飯量700万トンは、過大な見積もりでもないだろう。ちなみに最近の環境省・農水省のデータで、2000年度の食品廃棄物発生量は、一般廃棄物として1793万トン、うち家庭系が14万トン、事業系が552万トンとなっている。
むろん「14万トン」は調理くずを含んだ値である。飽食のありさまをもっと強烈な形で教えてくれるデータもある。
残飯のコスト計算をした旧科学技術庁のデータだ。残飯の量に価格をかけたら、一年間に一般家庭は約3.2兆円の損失を、外食産業などを含めた全国では2.1兆円の損失を出しているという。
このニ兆円は、いまの農業・水産業の生産額にほぼ等しい。つまり日本人はなんと、国内でつくった食料をそのまま捨てている。
食料自給率を見てわかるとおり、海外から膨大な食料を輸入しながら、全体の35%以上も捨てているのだ。世界全体を見ると人口は急増を続け、食料生産は頭打ち状態だから食料は不足ぎみで、国によっては多くの餓死者も出ている。
そうした状況を思い起こせば、日本人のライフスタイルは犯罪ものではないか。いま全国各地で生ごみのリサイクル運動がさかんに進められている。

しかし、リサイクルを考える前に、生ごみの発生を減らす努力をすることこそが筋だろう。現代文明の象徴ともいえる便利な製品も、使ったあとはむろん廃棄物になるから、適切に処理しなければいけない。
なにしろモデルチェンジが速く、新型が出るたび旧型が(まだ使えても)次々に捨てられるので、その廃棄物は「買い替え製品ごみ」だといってよい。しかも自動車や家電製品は図体が大きく、捨てたあとは回収さえやっかいなごみに変身してしまう。
こうした「便利製品ごみ」とライフスタイルのかかわりを考えてみたい。自動車日本の自動車保有台数(約7000万台)はアメリカに次ぐ世界第2位で、一家に一台の時代になった。
そのせいで年々500万台ほど出ている廃自動車は、処理ルートに乗る。自動車の素材はたいてい鉄だと思う人も多いだろうけど、最近は燃費をよくしようとしてボディーを軽量化するため、鉄はほぼ70%しか使わず、残りは非鉄金属やプラスチックだ。
ただし、ボディー本体は軽くなっても、エアコンやステレオなどいろいろな製品もあれこれ組み込むから、車全体の重さはあまり変わらない。「最新型のオールプラスチック車なんだ…」使用ずみの自動車は、シュレッダーという大きな機械に丸ごと入れて破砕する。
有用な金属をリサイクル用に除いたあと、プラスチックが主体の「シュレッダーダスト」と呼ばれる屑が残る。このシュレッダーダストの処理がたいへん面倒なのだ。
自動車は新素材のかたまりで、部品や塗料、油にさまざまな特殊合金や合成物質を使う。そういうものがシュレッダーダストに混じるから処理もしにくい。
鉛やPCBなどがたくさん入っている場合も多いため、シュレッダーダストは、ふつうのプラスチック用の安定型埋立地ではなく、管理型埋立地で処分することになるい。シュレッダーダストは豊島事件でも不法投棄が問題になった。
いまも全国で年間70万トンほど発生し、その処理・処分に困っている。廃自動車の山にのっけられた自動車も、近ごろは価値が下がり、処理費を出さないと引き取ってもらえない。
だから不法投棄や不適正処理が増え始め、何らかの対策が必要になった。

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